ミッドウェーの海岸

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     本当は今頃太平洋を走っているはずでした。
     東海汽船のジェットフォイルが機関故障で欠航になり,伊豆諸島調査が中止となりました。
    ジェットフォイルと言えば,鹿児島では種子島屋久島航路を走っています。ここは2社が競合するため,本数も多く,島に行く時にはJRの特急に乗る感覚で予約なしで飛び乗っていきます。台風明けのうねりも何のその,コアホウドリのように気持ちよく飛んでいきます。
     一方,東海汽船の大島以遠の航路は,一日一便。大型客船と合わせて欠航も多く,天気の具合でははらはらします。今回は天気も心配でしたが,ちょっと前からエンジンの調子も悪そうでこちらが引っかかっていした。鹿児島出発前,天気を確認するためネットを見たら,予感が的中。ジェットフォイルは木曜日まで機関故障で欠航となっていました。東海汽船に乗るには,鹿児島からだと接続が悪く,どうしても東京で前後泊が必要です。なので非常にお金と時間と手間がかかり,学生たちをつれていけません。そんなこともあろうかと,今回は学生たちには遠慮してもらってました。よかったです。昨日は準備ができたかと思ったら,飛行機とホテルのキャンセルで,ドタバタの一日でした。

     さて,ミッドウェーのお話に戻りましょう。ミッドウェーには3つの島があります。サンド島,イースタン島,スピット島。海岸を歩けるのはサンド島のみで,他の島は立ち入り禁止です。でもサンド島もNorth beachとCargo Pier beachの2箇所しか歩ける浜はありません。
    さらにハワイアンモンクアザラシとアオウミガメが浜に上陸しているときは,150feet(46m)の距離をとらなければならないので,砂浜に囲まれた島なんですが,浜を歩けないのです。



     この日はNorth Beachの2頭のハワイアンモンクアザラシが上陸しており,写真をとるだけでライター拾いはできませんでした。



     変わってこちらはOld Seaplane Rampの東にあるTurtle Beachにつながる海岸です。
    ここはもともと立ち入り禁止の海岸で,今日はアオウミガメがひなたぼっこをしていました。
    私の目にはたくさんのライターが見えます。あー残念です。

    Midway Atoll National Wildlife Refuge Visitor Centerにて

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       そろそろライターの話をしなければなりませんね。でもこの島を訪れるとまず最初にしなければならないことがあります。それがこの米国魚類・野生生物局(FWS)によるミッドウェー環礁についてのオリエンテーションです。場所はサンド島の中央にある"Midway Atoll National Wildlife Refuge Visitor Center"です。この島の建物は,すべて白と緑で統一されています。
      visitorC

       オリエンテーションでは,FWS/Teacherのローレルさんから島でのルール(特に野生生物への接近について,危険生物,禁止事項)やミッドウェーの歴史,北西ハワイ諸島の文化や自然・野生生物についての講義がありました。

      ひろべそ

       またこの施設の中には,野生生物や戦史に関わる資料だけでなく,ヒロベソオオムガイやパイプウニなど珍しい海岸漂着物もたくさんあり,期待が膨らみま す。でも島のほとんどの海岸はハワイアンモンクシールやアオウミガメがいるので立ち入り禁止。さらには種,骨,羽根から砂まで自然物は島外持ち出し禁止で す。なので持って帰れるのは,プラスチックのごみだけ。まあそれが目当てなのでホッとするとともに,私っておかしい?と思うのでした。

      plastic

       もちろんプラスチックのごみの展示は重要です。野生生物への脅威という視点がこれほど目の当たりできる場所はありませんから。私の狙っているライターもたくさん展示されています。

      born

       これはコアホウドリの親の骨,卵の横にはライターがあります。右の黒い塊2こは,ヒナが巣立つ際に親からもらったエサのうち,消化できなかった物を吐出したものです。

      alba

       ビジターセンターの前に住むヒナもオリエンテーションを受けていました。
       プラスチックについて学ぶ彼のようなコアホウドリが増えるといいのですがね。

      コアホウドリの口から

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         ミッドウエーのお話の続き。たくさんのヒナが待つ島に,グレーのアイシャドーをした大きなコアホウドリの親が滑空しながら降り立ちます。飛んでる間はグライダーのようにかっこいいのですが,大きなひれを持つ足では,このスピードでブレーキをかけることはできません。なので最後に必ずといっていいほど胸からずっこけます。この話は次回にして,降り立った親は泣きながらヒナのいる場所に探します。親の鳴き声を聞いたヒナは,それに反応して「ヒー,ヒー」と小さな声で鳴きます。自分の親ならえさがもらえるのですが,間違っておねだりするとおもいっきりくびをかまれます。他人には厳しいのです。



         ヒナは親と出会うと,親のくちばしを自分のくちばしで小刻みにたたいてえさをおねだりします。
         それに反応してぐぐっと来た親は,下を向いてオエーっと掃き出します。(人間がモノを吐くときとおんなじかっこうです)今回見たのはほとんどが胃液のような唾液のような液体でした。ライターはペットボトルのキャップが出て来ないか,何度も立ち止まってカメラを向けたのですが,1週間では見ることはできませんでした。残念だったのか良かったのか。



        ミッドウェーでの足

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          ミッドウェーは小さな島なので歩いても十分まわれます。私は毎日10kmほど歩いてまわりました。でもやはりお仕事する人には車が必要です。この島では主にゴルフカートが使われていました。公道を走っているような自動車は,空港での給油車,クリニックの救急車(動くかは?)それと荷物運び用の軽トラで,一度だけ紺の軽自動車を見かけました。



          道にはもちろんコアホウドリたちが休んでおり,彼等を縫うように,または彼等に移動してもらいながら進みます。なので歩いているのとあまりスピードは変わりません。
          カートの良いところは,ドアがないので鳥たちを移動する際の降車が楽であることでしょうか。制限速度は10マイル/hなので,乗り物としてはこれ以上を求めることもありませんしね。



          カート運転上で注意しないといけないことは,路上にいるコアホウドリをひかないことですが,それよりも大変なのが,駐車中,カートの下にコアホウドリが潜り込むということです。日陰のない島で親鳥を待つヒナは,自分の巣の近くで影を見つけるとそこに集まってきます。カートの下や横は格好の日陰です。乗車前にはカートの前後だけでなく,車体の下も覗いて良く点検しなければなりません。
          上の写真は自転車でできた日陰に隠れるコアホウドリのヒナ。気持ちよくわかります。



          ということで,島散策には自転車が一番お勧めです。ただしここはアメリカです。コースターブレーキ(ペダルを逆回転させて止めるブレーキで,ハンドルにはブレーキレバーがありません)の自転車なので,日本人には慣れるまでにはちょっと時間がかかりますよ。

          自転車利用の注意点:自転車を止める際にはスタンドを使わない。倒れてコアホウドリがケガをする可能性があるので,駐輪施設のないところでは,自転車を道路に寝かしておくことが義務づけられています。徹底しています。

          コアホウドリのプラスチック誤食

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            ミッドウェー環礁の報告の続きです。
            今朝は,FWSのジョンさんによる死亡したコアホウドリ雛のプラスチックの誤食調査です。ハサミでお腹を切り開き,胃袋を取り出してバットの上に出すのですが,


            ザクザクと出て来るのが,カラフルなプラスチックの破片です。



            写真右上は軽石,左上はイカのくちばし。これらは正常な胃内容物です。しかし近年目立って来たのが,下の赤や黄色が硬質プラスチックの破片で,それを拡大したのが下の写真。



            ペットボトルのキャップがごろごろと出てきますし,原型がわからない破片類も沢山でてきます。これらは通常,巣立ちの前に吐出され,体を軽くして飛び立っていきますが,このヒナのように衰弱して死んでしまうものも島内あちこちで見られます。



            おなじみの醤油差しです。



            ペットボトルのキャップと真ん中にまめ管が見えます。

            死骸はやがて無くなりますが,死骸から出て来たプラスチックや吐出されたプラスチックはそのまま島に残ります。この島は,海鳥にとって外敵のいない楽園ですが,その周辺の海にはプラスチックごみが大量に漂流し,彼等を命を奪います。この島を歩けば,その悲鳴がごみの島となって見ることができます。

            ミッドウェーの朝食

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              ホテルの名前は"CHARLIE"です。

              charlie

              隣に”BRAVO"という建物があったので,もしかして"ALPHA"という建物もあるのかと,探しましたがありませんでした。A,B,C...とうい具合なのかなあと想像したのですがね。

              clipperhouse

              さて,朝食は,North beachにある"Clipper House"でのビュッフェスタイル。
              もちろんアメリカンな朝食もありますが,タイ人シェフのお店なので私はもっぱらタイ料理。
              なかなか美味しくてすっかり気に入ってしまいました。このレストランには,牛乳、ジュースやケーキ,シリアルからソフトクリームまでいろんなものが常備されており,食べ放題。太平洋の真ん中は,冷房の効き具合といい,メニューといい,予想外に潤沢な場所でした。景色も抜群で,暑すぎることもなく,水道水も直接飲め,明るいスタッフのみなさんと完全なまでのインフラの充実度合いは,さすがアメリカです。

              clipperhouse2

               この島の食堂やホテルの運営,諸施設の管理は,"CHUGACH"という会社が行っていますが,仕事はきっちりしています。

              jpb

              ミッドウェーの朝

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                 窓の外が明るくなるころ,目が覚めました。ここはミッドウェー環礁です。

                 窓の外では鳥のピーピー,カタカタ,クーという大きな鳴き声がします。窓を開けると鳥の臭いとともに,昨夜はヘッドライトで照らされた部分しか見えなかった島の全容が目に飛び込んできました。コアホウドリのヒナが道から広場から玄関先まで,いたるところにおり,つがいが大声でダンスをしています。空にも多くの親鳥が飛び,グライダーのように滑空しています。

                あさ

                 養鶏場の中に自分が立っているという感じです。

                 もう一つ驚いたことは,道ばたにプラスチックの破片だけでなく,ペットボトルのキャップやカキ養殖に使うまめ管,さらにはライターが散乱していることです。これまでいろいろ調査に行ってますが,町中にこんなに小型のプラスチックごみが散らかっているところも見たことがありません。

                プラスチックごみ

                 何かが違います。この島は。


                (続く)

                ミッドウェー上陸

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                   からっと晴れたミッドウェーから梅雨ど真ん中のかごしまに帰って数日が経ちました。たまった仕事の上に,大雨で交通が麻痺したりと,なかなかこの報告にとりかかれませんでしたが,今日から少しずつ紹介していくことにします。

                  ======

                   今回参加したのは,特定非営利活動法人OWSが主催する「ミッドウェー環礁 調査&ボランティアツアー」です。もちろん私の参加目的は,ミッドウェー環礁の海岸の漂着ごみ調査とコアホウドリによるプラスチックの誤飲調査です。これまで数回にわたってミッドウェー環礁からライターを送ってもらいましたが,その実態をこの目で確認することが主な目的です。まあ早く言えば,50万円以上の費用をかけて太平洋のど真ん中にライターを拾いに来たということです。

                   さて,日本から東へ7時間かけてやっとホノルルまで来たのですが,ここから日付変更線に向けて,今度は西に3時間のフライトです。ミッドウェー環礁には定期便がありませんので,写真のようなチャーター便で向かいます。

                  ブラッドレー

                   飛行機の大きさは,鹿児島と離島を結んでいるJACのSABUよりも小さいプライベートジェットです。テレビで有名人が乗ってるやつじゃないと,ちょっと(というよりかなり)期待したのですが,中は通路を挟んで1列ずつ,さすが革張りソファーなんですが,なんと16人中10人の席は市電のような横向き対面シートです。アメリカンサイズのふかふかソファーは,私たち短足の日本人には足が床に届かず,幼稚園生が市電に乗っているかのような状態です。さらにシートベルトはあるのですが,つかむ所がない横向きなので,離着陸のGには戸惑いました。
                   
                  機内

                   上空ではホノルル行きのJAL便よりも揺れがなく,快適に(ただし市電状態で3時間はちょっとね)夜の9時にミッドウェー環礁のサンド島の空港にすべるようにかつ滑らかに着陸しました。なおホノルルと時差が1時間あります。
                   真っ暗闇の空港では,赤色回転灯の大きな車に引率されて駐機場に。降り立つと,外は湿った空気と真っ暗闇に覆われており,空港スタッフの皆さんは懐中電灯持参です。空には何やらいろんなものが飛び交い,カエルではないピピピピピという鳴き声があちこちから。ウラジオストック空港も暗かったですが,ここは街路灯など固定の照明がまったくありません。滑らかな滑走路となっ暗闇のターミナル。何かが違います。
                   ゴルフカートに乗り,これからホテルに向かいます。駐機場から道路に出ると,カートのヘッドライトで照らされた先には大きな鳥が何羽も座り込んでおり,それを縫うように,あるいは移動してもらいながら,暗闇の道をくねくねと,あるいは止まっては走りながらホテルに向かいます。ヘッドライトに写る鳥の数だけでも相当な数です。

                   welcome

                   こんな小さな島なので一体どんなところに泊まるのか心配でしたが,到着したCHARLIE Hotelは元米国海軍の3階建兵舎で,中は今の日本では考えれないキンキンに冷えた状態でした。これから一週間必要な最低限の注意事項をFWS(米国魚類・野生生物局)teacherのローレルさんから説明を受けた後,ホノルルで買い込んだバーボンを参加の皆さんと飲み,何とか住は大丈夫ねと話しながら,キンキンに冷えた部屋の冷房を切ってベッドに潜り込みました。
                  (続く)

                  ミッドウェー環礁から帰ってきました。

                  0
                     北西ハワイ諸島のミッドウェー環礁から帰ってきました。midway
                    詳しくは,ゆっくり報告します。
                    もちろんライターは1,000本以上回収しましたよ。
                    写真は,コアホウドリのヒナ(左)と親の2ショット。
                    間もなく巣立ちの季節です。

                    ミッドウェーへ

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                      6/6から14までライターを拾いにミッドウェーに行ってきます。
                      現地の情報が宿と食事はあるらしいという程度で,あんまりわかっていませんが,
                      まあ何とかなるでしょう。ライター持って帰れればいいのですが。
                      owstour


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