発泡スチロールによる海洋ごみ問題とその対策(その2)

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    2.発泡スチロール製フロートの適切な処理の推進
      海岸に大量に漂着散乱する発泡スチロール破片の発生を抑制するためには,まず国内の海面で使用されている発泡スチロール製フロートを適切に管理し,使用後 は速やかにかつ適切に処分しなければなりません。加えて発泡スチロール製フロートから,破片化しないフロートへの転換を進め,漸次発泡スチロール製フロー トの使用量を削減することも求められます。しかし,この廃フロートは,容積があり,かつ毎年大量に発生するため,漁業者がこの廃フロートを廃棄する場合, 産業廃棄物として高額な処分費用を負担しなければなりません。またそれを持込まれた処分場でも,焼却する場合,燃焼カロリーが高く,海水に浸かっていたた め塩分を多く含むことから焼却炉が痛み,また埋め立てる場合も処分場の狭隘化の原因となるため,受入が敬遠されてきました。
      一方,廃フロートをリユースして防舷材として利用している小型船舶ユーザー(市民)は,それ処分する場合は,自宅に持ち帰り,小さく切断して一般廃棄物と して処分しなければなりません。海面養殖場周辺の小型船舶ユーザーにとって,発泡スチロール製フロートは無料で手に入る資材であるため,それを有償で破棄 し,また手間をかけて処分して適切な資材を購入することには積極的ではないというのが現実です。
     よって発泡スチロール破片の発生を抑制するためには,小型船舶ユーザーによる不適切なリユースの流れを止めなければならず,そのためには,まず漁業者による廃フロートの適切かつすみやかな処分の流れを早急に構築する必要があります。
     一般社団法人JEANでは,発泡スチロール破片の漂着散乱問題を解決するため,2002年に発泡スチロール製フロートのメーカー,リサイクル協会,海洋ごみ問題の研究者,水産庁担当者,全漁連担当者など,この問題に関する関係者を一同に会した検討会を開催して,現状を共有し,今後どのような対策が可能かを議論しました9)。現在でこそ,発泡スチロールは,全国133点(2011年)にリサイクル施設を持ち10),リサイクル率88.3%1)を誇るプラスチックとなりましたが,この問題が取り上げられた2000年代初頭は,まだリサイクル率が60%台であったことから,日本フォームスチレン工業会および発泡スチロールリサイクル協会(当時)もさらなるリサイクル率向上を目指して動き出しました。そしてこの動きは,2003年から水産庁による発泡スチロール製漁業資材のリサイクル開発事業へと発展しました。この事業では,発泡スチロール製フロートの生産量と使用量を把握するだけではなく,海面養殖が盛んな地域に簡易粉砕圧縮減容機を持ち込み,リサイクル手法の検討も行っています11)。

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