広島発〜海岸漂着物を考えるシンポジウム

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     2015年1月30日,広島市でありました環境省中国環境パートナーシップオフィス(EPOちゅうごく)が主催する「広島発〜海岸漂着物を考えるシンポジウム」で,90名以上の参加者を得て,広島発の海ごみ問題についてお話してきました。

     広島での最初の調査は,2001年9月に広島湾の江田島,倉橋島での発泡スチロール破片と港で不適切に使用されている発泡スチロール製フロートの調査でした。あれから14年,ようやく広島で「広島発の海ごみ」のお話をする機会を得,ようやく入口にたどり着いたというのが今の気持ちです。初回の調査の後,広島には瀬戸内海海ごみ調査で何度か訪れ,カキ養殖の現場も見ることができました。しかし,岡山では環境庁中四国事務所の海ごみ対策の検討会に参加したり,兵庫,香川では海ごみ研究の報告会を開催したり,愛媛,大分,山口,大阪,香川からはNPOや行政から招待されて瀬戸内海の海ごみ問題についてお話ししてきましたが,どうしても広島からはお呼びがかかりませんでした。これまで広島の行政ともNPOとも出会いがなく,取り付くことができなかったというのが正直なところです。今回は,昨年12月の山口下関市での講演で,EPO中国さんからぜひ広島でもとのお声をかけて頂き,実現することとなりました。JEANのメンバーからも「ついに藤枝さんが広島に行く!」と言う歓声が上がったほどです。

     さてこのタイトル「広島発〜」には深い意味があります。海ごみの世界では,「広島」と言えば「カキ養殖用のパイプ」,「Oyster pipe」と言えば「HIROSHIMA」と言われるぐらい有名な広島県。「広島は世界に平和を発信しとるばっかりおもっとったけんども,海ごみも世界に発進しとるんやね」という下関での感想から付けられたのが,今回の「広島発〜」というタイトルです。

     これまでカキパイプは,瀬戸内海西部だけでなく,沖縄,鹿児島,日本海沿岸でも発見されており,豊後水道だけでなく関門海峡も外洋に流れでていることが確認されています。また海外では,南は台湾,東はミッドウェー環礁,ハワイ諸島(オアフ島,マウイ島,ハワイ島),北米西海岸(オレゴン州,ワシントン州,カナダBC州,アラスカ州)でも回収されています。ミッドウェー環礁では,コアホウドリの親鳥が北太平洋洋上で誤食するプラスチックのうち,破片類を除くとプラスチックキャップに次ぐ量(キャップの1/2)であり,使い捨てライターの4倍にものぼります。この鳥は,小さなまめ管だけでなく,20cmもあるパイプも食べています。ハワイ諸島の海岸には鹿児島の海岸以上の密度で漂着していますから,みなさんもすぐに見つけることができるでしょう。広島では,台風被害によって流出すると言われていますが,ミッドウェー環礁で発見された多くのパイプは半分(約10cm)に切れたもの,すなわち収穫後(船上に釣り上げて一番下のパイプを切断するため)に発生してることが容易に想像できます(ここ重要!残念ながらこの肝心なところを強調するのを忘れていました)。今回は残念ながら漁業者の参加はなかったようですが,今回のお話が広島発の海ごみ削減のスタートになればうれしい限りです。

     この他にも,極めて深刻な発泡スチロールの問題(広島2大発信海ごみ),もちろん陸域からのごみも深刻であること,広島県が地域グリーンニューディール基金およびそれに続く地域環境保全対策費補助金を全く受け取っていない太っ腹な県であること,ライタープロジェクトから広島起因のごみは瀬戸内海西部にかなり影響を与えているが他県からの影響をほとんど受けないこと,対策ヒントとして重点回収の重要性についてお話しました。これらの詳細については後ほど時間のある時に詳しく書きたいと考えています。

     最後に初めての広島での講演,個人的な感想は,「市町村はやっぱり困っているということがなんとなくわかった。」ということです。なんとなくという意味は,みなさんのご想像にお任せします。

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