島弁当ってどうだろう

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     アイデアって温めてもそれだけじゃ芽はでないし,そのうち腐ってしまいます。なので最近温めてきたアイデアをお話しすることにします。
     どっか探せば出て来るのかもしれませんが,その名は「島の味弁当」,略して「島弁」。
    お弁当と言えば,牛○○弁当とか,からあげ弁当とか,食材や料理の名前がつきものですよね。容器に入れた食べ物を売るという発想から,その素材や料理の背景となる地域や文化を容器に詰めて,地域のPRアイテムとしてお弁当を売るってのはどおかなあと考えた次第です。
     昨年,ととけん(日本さかな検定)を鹿児島に誘致してから,いろんなところで魚食のPRをしていると,魚には肉と違った旬や豊富な種類,さらに地域独特の食べ方など,その土地をPRするにはとてもいい素材がたくさんあることに気がつきました。旬を持つものは,魚だけでなく山の素材にもありますよね。それを単品で紹介しても,またその場所に行って食べようなんてPRしても,なかなか個人では購入して料理はできませんし,旅行に出かけるっていうのもむずかしい。私は海ごみの関係で,全国の島によく出かけるのですが,普通の人にとっては,島は海の向こうの存在で,ちょっとどころではなく、かなり遠い存在のようです。島には行かなくても良い。島が私たちに近づいてくればいい。そうだPRする地域を普段行くことができない島とすれば,わくわく度も上がるのではという考えに至りました。
     ところで福岡県や熊本県には鹿児島本線が走っています。博多駅また熊本駅を利用する福岡県民や熊本県民は,電車がホームに入るたびに連呼される「鹿児島(本線)」をどんな感覚で聞いているのでしょうか。いつも博多駅で降りる際に考えてしまします。おそらくそんなこと慣れちゃってなんにも感じないってところでしょうが,福岡や熊本で「鹿児島」が普段の存在になっていることが大切なのです。
     遠い存在の島を身近な存在にする。島の文化を小さな箱に詰め込む。それが島の旬の食材を詰めたお弁当「島弁」です。島弁のルールは,たったの三つ,「種子島弁当」や「薩摩硫黄島弁当」という島の名前を付けること。そして島の数と同じ一種類とすること。ただし島の旬と食文化の詰め合わせですから,中身は季節によって変わってもかまいません。最後に大量生産や通年販売は無理なので,県内全島をラインナップし,島の数で不安定さをカバーすることです。
     弁当に食材の名前を付けない,または食材で弁当をPRしない理由は三つあります。
     一つ目は,島の食材は通年一定量を確保することが難しいこと。これはいつも言われることです。大きな島であれば量を確保することはできるかもしれませんが,三島村や十島村では定期船での運搬の関係もあり,個数は限定されます。また天候によっては入荷が難しいときもあるでしょう。さらに島の旬を味わうことが目的ですから,一年を通してメニューが変わるのも当然です。不安定な要素が多い島ですが,島の名前は不動ですし,一番のブランドです。不安定を島数でカバーし,不安定でもいいという売り方を考えればいいということです。
     二つ目は,あくまでこれは島のPR。この容器の中には島の旬が詰まってますってことなのです。本を手に取って島を調べるのと同じように,舌で味わって島を知るってのもいいじゃないですか。島の個別の素材を売らない。島丸ごとを売るってことに専念します。
     三つ目は,売り切れ時もPR。一つの島が単独で売ってはいけません。沢山の島の中から,どこかの島弁が手に入ればそれでいい。店頭に並ぶメニューは島。買えないけれどメニュー(島)を見てうっとりする。島の特徴を逆手にとる。

    「今日はどの島が出てるかなあ」
    「今日の甑島(弁当)には何が入ってるかな」
    「今日は外海が時化だから,獅子島弁当が沢山でてるね」
    「悪石島弁当はこの時期しか販売してないんだよね」
    「今はシーズンオフ。3月になったらにもう一度お越し下さい」

     普段の会話の中に島の名前が出てくるって考えただけでもわくわくしませんか。どこの業者が作ってもかまいませんが,島弁はすべての島に一つずつ。弁当を売るって発想から,旬を売る,地域の食文化を詰める,そして食を通して島を理解し身近に感じてもらうへ。島に多くの人が訪れることがよいのかもしれませんが,常に話題になるって仕掛けを島弁を通じてできればいいなあと考えました。

     さてこのアイデア,芽が出るかな。

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